研究室のあゆみ

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以下に掲載しました卒業論文は、藤本研究室の『論文・資料集』として公開しています。本学の図書館にも所蔵されています。研究室でもおわけしてますでの、興味のおありのかたは、ご一報ください。
『論文・資料集』は、2020年3月刊行の第15集で完結しました。

卒論演習の概要

  • 卒論ゼミ

テキスト:参加者各自が自分で一冊(以上)選定したものを使う。
共通教材:岩波小事典『社会学』、有斐閣『社会学小事典』、ミネルバ書房『新しい世紀の社会学中辞典』などの社会学辞典。

この演習は、卒論指導と連動しています。そのため、各人の問題意識に応じてテキストを選定し、それを発表してもらいながら全体で議論をすすめていきます。
登場する論点ごとに社会学的にはどのように考えるのかを議論しますから「社会学小事典」はどれか必ず用意してください。

おおよそのスケジュールは以下のとおりです。

4-5月 テーマ設定。資料集めや文献調査の基本の習得。
6月 各人のテーマに応じた発表開始
7月 卒論構想発表会
8-9月のどこかで、ゼミ合宿。アンケート調査を行う人は、前期のうちに調査設
計をおえ、実査を夏休みに行えるようなスケジュールをつくること。
(調査関係の科目は履修済みか同等の知識、経験がない場合は調査をさせないことがあります。悪しからず。)

10-11月 論文執筆。
12月 提出
1月 論文発表会
3月 『論文・資料集』発行。バックナンバーの閲覧も可能です。

2019卒論ゼミ

2018卒論ゼミ

2017卒論ゼミ

2016卒論ゼミ

2015卒論ゼミ

2014卒論ゼミ

2013卒論ゼミ

2012卒論ゼミ

2011卒論ゼミ

2010卒論ゼミ

2009卒論ゼミ

  • 卒論テーマ 「論文・資料集 第5集」
    • 齋川奈津弥 清原工業団地の工業用水 ―大切なものは足の下にある―
    • 野沢零羽 「冬のソナタ」への違和感を通して、私の「純愛」観はどう変化したか
    • 橋本弘幸  ボクサーからみた亀田バッシング ―批判されるべきは誰か―
    • 目黒大地  市民のため、町のためのプロチーム ―鹿島アントラーズ、地方から日本サッカー界の中心へ

2008卒論ゼミ

  • 卒論テーマ 「論文資料集 第4集」
    • 石川 徹  「TVゲームの光と闇 ―自伝的分析―」
    • 川俣源弥 「不登校問題」の問題 -不登校統計の背後にあるもの-」
    • 瀬端真揮 「都市伝説と社会的背景の関係―情報化と噂の変化について―」
    • 高柳さやか「観光の時間・観光の空間からみた『世界七大不思議』 ―オーセンティシティと自分の発見―」

2007卒論ゼミ

  • 提出直前発表会
  • 卒論テーマ 「論文・資料集 第3集」
    • 片岡 和也  『規制緩和がバス・トラック運転手の労働に与える影響』
    • 杉本 昌子  『家族は何処へ行くのか-『核家族』が当初から抱えている内的リスク-』
    • 鈴木 元子  『血液型性格判断の対人関係における役割 -宇都宮の大学生への調査をもとに考察する-』
    • 長竹 益美  『日本人女性は韓流の何に惹きつけられるのか』
    • 森岡 研二  『もうひとつの世界、2ちゃんねる』
  • 卒論発表会
    • 2008/1/29、31

2006卒論ゼミ

  • 卒論発表会
  • 卒論テーマ 「論文・資料集 第2集」
    • 井上 貴史  『バスケットボールの試合にみるフィールドコミュニケーション ― チーム内での役割取得 ― 』
    • 星野 健一  『フロー経験から得た知見と考察 - 10代後半から20代前半の眼差し―』
    • 大根田 美里 『「男女共同参画社会」と私たちの生活』

2005卒論ゼミ

  • 2005/7/11-12 卒論構想発表会 様子はこちら
  • 2005/9/6-8 ゼミ合宿 作新学院那須山荘 写 真集はこちら
  • 2006/12/5-6 提出直前卒論発表会 様子はこちら
  • 2006/12/20 論文提出
  • 卒論テーマ 「論文・資料集 第1集」
    • 大山 淳  「ネット自殺と自殺系サイト」
    • 岡田 聡  「ファッションと自我 - 社会という舞台で役割を着る人々-」
    • 片桐 剛史 「外来生物法とブラックバス-ブラックバスがなぜいじめられるのか?-」
    • 笹沼 正治 「インターネット利用者の低年齢化による著作権侵害の蔓延は止められるか?」
    • 高瀬 正弘 「走り屋のエスノグラフィ - 暴走族と走り屋の違い -」
    • 土橋 あすか 「携帯電話を使う子どもたち - 大人は何に不安を感じているのか-」
    • 冨田 奈々絵 「コンビニを舞台にした人間模様- 小さな空間に展開される防犯対策とプロ意識-」
    • 矢内 一徹 「ハッカー倫理は新しい価値観になりうるのか -日本的価値観の見直し-」

ゼミ(基礎演習、専門演習)

2012年度

2011年度

2010年度

  • 社会学演習Ⅰ・ⅢA(新) 藤本 一男

テキスト:李鳳宇「韓流シネマ 抵抗の軌跡」『NHK知る楽』2009年4-5月号、NHK出版、2009
 ドラマや映画を通じてすっかり私たちの映像経験に定着した「韓流」ですが、その源流を映画史として概観していきます。テキストを導きの糸としながら、できるだけ沢山の映画をみましょう。また、テキストの中で文献として紹介されているものは現物にあたってもらいます。文献に限らず、引用されている原資料にあたることは重要です。引用者とはちがった発見も経験できるでしょう。
 テキストを丁寧によみ、レジュメにまとめ、みなの前で発表するトレーニングを徹底的にやります。情報技術を駆使してもらいます。ITが苦手な人も、練習すれば強力な味方になってくれることを実感できるはずです。ワープロはもちろん、アウトラインプロセッサ、マインドマップ、パワーポイント、など、うまく使いこなせるようになります。
 今年、2010年は、日本が朝鮮を植民地にしてから100年目、また、1980年の光州民主化抗争から30年目でもあります。韓国の映画史を知ることは、この歴史を踏まえることぬきには不可能ですし、それは同時に日本を知ることでもあります。さらにそれは自分を知る道でもあります。映画を見ながら、一緒に考えていきましょう。
 なお、希望者のみとなりますが、9月に、「韓国映画博物館」(ソウル)への訪問を含めた研修旅行も計画しようと思っています。

2009年度

  • 社会学演習I(前期2、3年生対象)

テキスト:バリー・サンダース(訳:杉本卓)本が死ぬところ暴力がうまれる-電子メディア時代における人間性の崩壊-』新曜社、1998
 テキストのタイトルを見ると、昨今の理解不能な暴力事件の背景には、ネットやケータイの普及がもたらした「活字離れ」があって、もっと本を読め!と言われているようである。実際、ある書評はそのように書いていた。しかし、本書は、人間のコミュニケーションのもっと根源的なところに降りていく。文字の前に声のコミュニケーションがいかに重要なのかが説かれているのだ。声の運用能力が脆弱なところには文字の能力も歪んだものになる。電子文字についてはなおさらだ。
 テキストを丁寧に読みながら、自分のネット、ケータイ経験を対象化し、電子メディアに対する表層的な批判を越えて、人間のコミュニケーションの本質に迫っていきましょう。
演習では、要約の仕方、関連資料の収集の仕方、発表資料の作成、発表の仕方のトレーニングも行う予定。

2008年度
社会学演習I (前期 2、3年生対象)

テキスト:林 香里『「冬ソナ」にハマった私たち』文春新書、2005
今更「冬ソナ」? そうです。ピークは去ったかのように見えますがあの「冬ソナ」以降、日本における韓流ブームは確実なものになっています。「冬ソナ」ブームを考えることは、現代日本を知ることなのです。
本書はブームに社会学的にアプローチします。「冬ソナ」ブームに現れた日本を読み解く過程で、中年女性の社会的位置、日本と韓国の歴史的関係、台頭する「嫌韓流」、2ちゃんねるでのバッシング。ネット言論などを考察します。扱われている事象のどれもが、現代の日本を映し出しているのだということがわかります。
いわゆる「韓流」ブームの分析として読むだけでなく、新奇な社会的出来事に社会学的にアプローチする具体例としても学びましょう。アンケートやインタビューを準備し、それをどのようにまとめていくか。そうした方法的なことも学べます。
もちろん、映画や音楽も「味わう」予定でいます。

2007年度
社会学演習I 前期
テキスト:見田宗介『社会学入門 -人間と社会の未来』岩波新書、2006

大学での勉強で高校までの勉強と一番違うところは、答えがあるかないかわか
らない問題、自分(だけ)の問かけと向き合うことにあります。自分にとってのっ
ぴきならない問題と出会えたならば、それは解決する価値がある問題になるわけ
です。本書は、「ほんとうに大切な問題」のありかたは人によって多様であるこ
とを前提に、それと出会いそれと格闘する意義を説いています。その問は、自分
とは何かという問につながるのですが、社会学が扱う「社会」とはこの自分に他
なりません。
丁寧に読みながら、自分のペースで考えていけるようになりましょう。なお、
『社会学小事典』を用意することを薦めます。

2006年度

2005年度

  • 基礎演習I 二年前期
    加藤尚武『技術と人間の倫理』NHKライブラリー,1996
    さすがに、科学技術が薔薇色の未来をもたらす、という類の認識は陰をひそめているとはいえ、日常化したテクノロジーへの信仰とも言えるある種の判断停止 が、私達の社会には蔓延しています。ゼミでは、技術と社会の関係を事例を追いながら、倫理という人間にとっての善悪を考える基準を考えて行きます。自分は 文系だから理科系のことは苦手という人も多いと思いますが、その点は心配いりません。ただ、図書館で調べものをするフットワークは用意してください。
  • 基礎演習II 二年後期 (通称:流言ゼミ)
    廣井脩『流言とデマの社会学』文春新書,2001
    自分が手にいれた情報の真偽を自分の力だけで判断するのは難しいことです。マスメディアが未発達の時代には、今考えれば笑い話でしかないような「うわ さ」が人の人生を決めてしまうような事態もありました。では、メディアが発達し、インターネットも普及している今日、私達は、かつての時代より、すぐれた 判断力を手にしているのでしょうか。
    流言についての社会学的定義、分類をおこない、多くの事例を参考にしながら、世の「うわさ」を考えていきます。事例は、私達のまわりにゴロゴロしている ので、考える素材には、コトかきません。
  • 社会学演習I 三年前期(通称:冬ソナゼミ)ご案内 最終回の様子はこちら
    毛利嘉孝編『日式韓流 「冬のソナタ」と日韓大衆文化の現在』せりか書房,2004/11
    「冬のソナタ」以降、日本では、韓国ドラマ、映画ブームが巻き起こっています。本書は、この韓流とよばれる現象を社会科学的にあつかった論集です。著者 たちは、日本、韓国のみならず、香港の研究者も参加しており、日-韓にとどまらず、東アジアとい視点も用意されています。
    ゼミでは、文献を読みながら、必要に応じて、冬ソナをはじめとした、韓国ドラマ、映画も鑑賞、韓流ブームを経験しようと思います。韓国語はできるにこし たことはありませんが、テーマに興味があれば、OKです。
  • 社会学演習II 三年後期
    マックス・ヴェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』岩波文庫、1989
    社会学の「古典中の古典」を一緒に読みましょう。本書は、社会学の教科書で本書に触れてないものはないくらい有名な古典です。その意味では、著社名と著 作名は聞いたことがあるかと思います。しかし、それだけに止まらず、直接読む意味は大きいのです。カネ儲けの論理が、キリスト教の禁欲生活から生まれ出た こと、無駄なく合理的に、という私達の生活態度も、一つの歴史的産物であること。そして、私達はそれから逃げられないこと(鉄の檻)、など、人間と社会の 関係を見るスリリングな視点を獲得できます。

2004年度

  • 前期 基礎演習
    沢田允茂『考え方の論理』講談社学術文庫、1976
    どの分野のものであれ、専門的な文献を読むためには、前提とされる基礎知識に加えて、高度な論理構成を理解する力を必要とする。その力を、日常的な論理 を自覚化するところから始めたい。基礎さえ整理できれば、あとは、自分のペースで「登って」いけばいいのだから。
    演習では、この薄いテキスト以外に、いろいろな「例題」をこなしていくて予定。
  • 後期 基礎演習
    山岸俊男『社会的ジレンマ 「環境破壊」から「いじめ」まで』PHP新書、2000
    みんながやれば問題は解決するのに、取り組むのが自分だけだった場合、自分が損をしてしまうような状況を社会的ジレンマ状況と呼ぶ。環境問題やイジメを はじめ、社会にはこのような問題があふれている。こうした問題に対して、お説教によって人のあるべき姿を説くのではなく、人間の進化がつくりだした問題解 決能力を信頼するところから解決を展望しようとする。筆者の主張を丁寧に読むトレーニングをしたい。
  • 前期 専門演習I
    ・土佐昌樹『変る韓国、変らない韓国 グローバル時代の民族誌に向けて』洋泉社新書(2004)を基礎テキストとして読んでいく。
    「90年代の韓国でおきた文化的地殻変動」を読みながら、同時に我々の社会、文化を考えていく。演習の過程で、本書に登場する韓国映画やK-POPの鑑 賞や批評も行う。
    筆者の視点は、グローバル化の中で、固有の文化へのアイデンティティがどのように変化していくのかということを、今や「主流」となった文化相対主義を批 判しながら展開し、、「文化の微分法」を実践することにある。そこでのキーワードは、サイボーグ。つまり、伝統と機械が共存しながら、しかし、主体性(と いう神話)が維持されるという性格に着目している。この視点は、IT化が社会に偏在化するする過程で、伝統が再評価される日本を見るときにも有効であろ う。
    韓国語は出来たほうが望ましいが、履修してなくてももちろん可。韓国に興味があればいい。
    参考文献:四方田犬彦『ソウルの風景 記憶と変貌』岩波新書、2001ほか、随時指定
  • 後期
    ・デビッドライアン『監視社会』青土社、2002。
    IT化の過程でプライバシー侵害の危機が問題にされ、セキュリティの強化が行われ、その結果、相互に監視しあう社会が実現してしまった。しかし、「監 視」は、社会とともに誕生している。社会は、監視なしには、成立しない。その意味では、この「監視」への注目も、IT化が可視化、顕在化したものであると いうことも可能である。
    e-Japan本格化の今、我々の社会の現状を分析するために監視、プライバシー、個人情報に、感情的なアプローチではなく、社会学の基礎概念を武器に アプローチしていく。ITの専門的なことはわからなくてもよい。情報化と社会の関係に興味があればいい。
    参考文献:レッシグ『CODE』翔泳社、東博紀「情報自由論」『中央公論』連載、など随時指定。

2003年度

  • 前期 基礎演習I
    加藤尚武『先端技術と人間 21世紀の生命・情報・環境』、NHKライブラリー、2001
    倫理とは、ものごとの良し悪しのこと。他方、技術の発展、社会的普及は、倫理がなりたつ前提をゆるがしている。かつては自明であったものが自明でなくな る。こうしたことがらを生命倫理、情報倫理、環境倫理という三つの場で考えていく。専門的な知識の有無は問わない。ものごとの良し悪しを考える基盤を技術 がどう変えてしまったのか。そこで私たちは、どう判断すればいいのかを考えていきたい。そのために、作者がなにを言っているのか、それについて自分は、ど う考えたのか、を毎回発表してもらいながら、発表の仕方も学んでいく。
  • 後期 基礎演習II
    山岸俊男『社会的ジレンマ 「環境破壊」から「いじめ」まで』PHP新書、2000
    みなが自分の利益や都合だけを考えて行動すると、社会的に望ましくない結果が生まれてしまうジレンマを社会的ジレンマといいます。環境問題のように、自分 がなにをすればいいかわかっていても、自分ひとりがやってもしょうがないので、やらないとますます事態は深刻になる、というようなことはその一例です。人 間が社会的な生き物であることとを、「自分だけが馬鹿をみる」のはいやだ、「みんながするから/しないからいいんだ」という日常感覚の延長に見ていきま す。個人の論理が社会的に広がるとどうなるか。このジレンマの解決になにが必要か、発表をもとに、身近な「ジレンマ」を抽出して一緒に考えていきます。

キャップストーンコース プログラムL

  • プログラムの説明
  • 2004年後期
  • 2005年前期
  • 2006年 後期
  • 関連論文
    • 藤本一男,2004「身近な課題にも対応できるWebシステム」『山口県産業技術センター研究発表会要旨集』,山口県産業技術センター、 36-43
    • 藤本一男,2005,「WebアプリケーションサーバーZopeによるプロジェクト支援サイトの実例」『山口県産業技術センター研究発表 会要旨集』, 山口県産業技術センター、34-41
    • 山尾貴則,2001,「インターネット時代の地域情報化—–長野県諏訪地域の事例—–」,『東北文化研究室紀要』42集,東 北文化研究室,1-15.
    • 山尾貴則,2005,「インターネット時代の福祉情報化—–長野県諏訪地域における取り組みを手がかりに—–」,『作新学院 大学人間文化学部紀要』3,作新学院大学人間文化学部.
    • 山尾貴則,2006,「第10章 地域と情報—–地域情報化の可能性—–」,広井良典・早坂裕子編著,『みらいに架ける社会 学』,ミネルヴァ書房,150-166.