『私たちが好きだったこと』社内報Dash原稿 1997-9-24


監督:松岡錠司、
脚本:野沢 尚、
原作:宮本 輝
「私たちが好きだったこと」

 与志(岸谷五郎)、
愛子(夏川結衣)、
ロバ(寺脇康文)、
曜子(鷲尾いさ子)
 これは、偶然出会ってしまって、なりゆきで一緒に暮らし始めてしまい、そこで芽生える恋と愛のお話。出会い、別離、再会というありきたりのパターンなのだが、やはり、別れが辛い。映画なら、相手がどうして欲しいと思っているとか、こうすりゃいいのに、とか距離をおいてみることも出来るのだが、表にはださない彼らの「願望」は、おたがいのやさしのなかで、みごとにずれていく。自分が当事者のときは、そのような客観的な視点など望むべくものでもないが、映画だと、観客の「特権」として、なりゆきを観取することができる。そして、映画の制作者はこの観取を自然に生成させながら、観客を作品にひきずりこむのだろう。
ハリウッド映画的なハッピー・エンド・パターンだったら、主人公の下を去った愛子がもう一度かれの部屋を尋ねて来て、「どうして、ひきとめてくれなかったの」と泣いた夜の翌朝は、違ったものになっている。

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『素晴らしき日』 社内報Dash原稿 1997/08/01

映画「One fine day」
邦題「素晴らしき日」
 ミシェル・ファイアー/ジョージ・クルーニー

 あなたにとって「素晴らしき日」とはどのような日だろうか。この映画は、最初はまったくその気になりようがなかった二人が恋に落ちていく「すばらしい」一日を朝から夜まで描いていく。
それぞれバツイチの二人は、自分の仕事の最も「大切な一日」に、子供の面倒もみなくてはならない、という困難を抱え込む。親の仕事にひきずりまわされる子供たちにとっては「とんでもない一日」の始まりでもあった。

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『グース』社内報Dash原稿 1996/12/11

 空を飛ぶ話は、いろいろとあると思うが、これは、初めて南下する渡り鳥(グース)に、父娘が軽量飛行機で道案内をすることになるお話。鳥には「刷り込み」という、生まれてすぐに見たものを母親だと思い込む性質があるらしくて、この映画は、実際にそれを使って撮られているらしい。鳥が、よくあそこまで「演技」をするものだ。
ただでさえ難しい14歳の娘が、母親の事故死によって、十年来会っていなかった父親と暮らすことになる。娘は、父親に対してなかなか心を開かないが、グースを媒介に、心を通わせていくあたりは、ありそうな話ではある。しかし、実際のグース達との飛行訓練など、出てくる場面は、全然ありそうではない。軽量飛行機など、驚きだ。
小学生の娘をもつ私は、「父娘物語」として感情移入しながら楽しんでしまったが、他にも気になるところがあった。それは、この父親の友人たち。おそらく60年代のフラワージェネレーションに属するであろう彼らは、子供のままの感受性を残したままの大人でもある。この世代には、一方では、成功し名声を博している人達もいるが、この映画にでてくるのは、その反対の世渡りは不器用な人達。そこには、地位も名声もない。しかし、この「父娘物語」の大事な背景として、彼らのこだわりとスペシャリティと友情があった。あんな感じの先輩がいるなぁ、と思わず、ニヤっとさせられてしまった映画でもあった。

1996/12/11 (Wed) 22:38:04 <ふ>

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「速く走る練習は必要ない」ということ

その1

「速く走る練習は必要ない」という*。
これ、理解するの難しいです。

でも、スロージョギングやってきた今なら、こんな風に理解できるかなと思ってます。

「ゆっくり(にこにこペース)で走っていると乳酸閾値(LT値)があがっていく」そうすると「自然と、つまり無理しなくても速く走れるようになっている」
つまり、「速く走れる」状態は、結果として、つまり乳酸閾値があがった結果なんだ、ということのようです。

中学時代から陸上部で中距離、長距離を走ってきたので、自分の中にあるのは、こんなイメージなんですよ。
「(無理してでも)できるだけ速く走る」そうやって身体を引っ張ることによって、その状態に「慣れる」身体になる。
だから、その時、走れるギリギリで練習するのだ!と。

でも、これやると怪我、故障を引き込みますよね。50代になって張り切って「無理な練習」をしてしまった私です。変形性膝関節症(^^;)。

身体のなにを鍛えるのか。スロージョギングでは、乳酸閾値(LT値)をあげていく、ことを無理なくやっていく。以前の練習方法は、身体を鞭打って、無理させて、その無理が効く限りで効果(らしいもの)がついてきた。こんな違いがあるのですね。

この2年間のスロージョギングの効果、すごいです。確かに大会でのタイム、かなり改善してます。でも、そうすると、ついつい「速く走る練習」をしてしまうのですよね。

田中先生も書かれてました*。「速く走る練習をしたい方は、最小限にとどめるべきです。」p82

なにを鍛えるのか。これって、子育て、(部下、学生とわずの)教育などでも共通の構造の問題ですね。

にこにこペースで走ります(^^)。

* 田中宏暁『ランニングする前に読む本』ブルーバックス

その2

随分前に、浅井えりこ『新版 ゆっくり走れば速くなる』ランナーズ、2006は読んでいるのですが、ここで説明されているLSD(long slow distance)は、ふ〜ん、というレベルでしか理解してませんでした。この本では、ハードな練習も必要だけど「そのハードなトレーニングを受け入れる『器』が身体にできてないと、疲れるばかりで効果はありません」って書かれているのですよね。p24-25。今発見(^^)。
田中先生の本は、その器の取得をLT値の変化として説明してくれたところが大きいように思います。
浅井さんの『ゆっくり走れば…』も読み直してみます(^^)。

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「対応分析」ってなんですか、について

「今、なにやってるのですか?」と聞かれると、
「対応分析の本、二冊目の翻訳やってます」と答えます。すると、
「『対応分析』ってなんですか?」と聞かれるのですよね。当然でしょうけど。

その質問に簡単にお答えするのは、結構難しのですが、昨年(2019年)の夏に、作新学院図書館ニュース(「SAKUらいぶ」)88号に寄稿させていただいものがでてきました。探しものをしていて発見。

簡単にしか書いてませんが、まずはこれを見ていただくようにしようかと(^^)。

ここにあります。

 

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環境社会学の草分け、飯島伸子先生追悼文集への寄稿文

先に、指導教員から破門されたことをめぐったエントリーを書きましたが、そういえば、もう一人、追悼文集に寄稿させていただいてた、と思い出しました。

https://wp.me/P70mJn-kt

読み返してみました。

「IT革命なるものと環境問題の接点を意識しながら、情報と社会の交差する領域をフィールドとして研究活動を続けていきたいと思っている。」

と書いてます。書いたこと、ちゃんとやったのかよ!と定年迎えた今反省してます。

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会社員やりながら大学院にいった経緯、「破門」されたことなど…

会社員を10年やったあとに大学院にいってきたのですが(教育休職)、その時のことなどを、恩師の河村望先生の追悼文集に書いたものがあります。以下に掲載いたします。

https://wp.me/P70mJn-kj

定年になって、いろいろ振り返っている、ということもあるのですが(^^)、中に出てきます「破門」をめぐったところに、実に、今の自分が目指しているところがある、ということに気がつきました。
破門されても頑張りました!というエピソードに終わらせずに、やはり(指導教員の怒りを引き出しながらも)こだわってよかったと思っております。あのとき(何人もの先輩たちからアドバイスされたように)大学院生としての「正しい処世術」として尻尾ふっていたら、今、考えようとすることについて、いちいちexcuseをつけないといけなかったはずです。当時は、そんな「見通し」なし、で意地をはっただけなのですが、振り返ってみて、ホットしています。

 

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ずっと昔(15年〜ほど前)に書いたネットとIDの問題についての記事

自分のサイトの執筆リストを調べていたら、リンクが切れていたものがいくつもあったので補修しました。そのついで(^^)に、『サイバーセキュリティマネジメント』誌に書いたものを整理してみました。

ずっと読み返すのも「怖いな」と思っていたものですが、なにを考えていたのか振り返ってみようと思います。しょーがねぇーやつ、というのでも構いませので、コメントなどいただれば幸いです。

 

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箇条書きテキストをアウトラインに、を書きました

テキストエディタでベタの箇条書きにしたものをつくって、それをCloud Outliner Pro に読み込んで、階層構造をつくっていく方法のメモを作りました。

https://wp.me/P70mJn-jt

 

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最後の教授会でのご挨拶の映像

後援会報に掲載されたご挨拶、最後の教授会でのご挨拶、など掲載いたしました。

2002年以降、大学でであった「学生たち」に届きますように!

https://wp.me/P70mJn-iO

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